粘液癌 mucinous carcinoma





病理組織学的特徴
 粘液癌は膠様癌とも呼ばれ,粘液産生を特徴とする癌である.粘液癌は純型
pure typeと混合型 mixed typeに分かれる.純型は腫瘍全体が粘液膠様の癌巣で
占められるもの,混合型は浸潤性乳管癌の組織形態を示す癌巣と粘液膠様の癌巣
が混在したものである.粘液癌は全体として良好な予後を示すが,そのなかでも
純型は混合型に比べさらに良好な予後を示す.ただ粘液癌ではリンパ行性よりも
血行性転移が多く,頻度は少ないがリンパ節転移陰性にもかかわらず血行性の転
移を起こすことがある.
 肉眼的には限局性球状結節として境界明瞭で,割面は半透明で平滑であり明ら
かに粘液性である.
 組織学的には,粘液中に乳頭腺管癌あるいは充実腺管癌と基本的に同様な癌細
胞巣が浮遊している.浮遊している癌巣は分泌極性が反転して外方に粘液分泌を
行っている.粘液結節巣の周辺部では上皮細胞の裏打ちは見られない.