浸潤性乳管癌 invasive ductal carcinoma


 乳癌学会の乳癌の組織型分類は基本的にはWHOの分類と同じであるが,乳癌症例の大部分を占める浸潤性乳管癌をさらに乳頭腺管癌,充実腺管癌および硬癌の基本形態に分類してあるのが特徴である.
 乳頭腺管癌は,進展形式は管内進展を主体としており,組織形態学的分化度は高分化であり,他の2型に比べてリンパ節転移が低率で予後が良い.硬癌は管外進展を主体として低分化であり,他の2型に比べてリンパ節転移が高率で予後が悪い.充実腺管癌は圧排性増殖を主体として中分化で,リンパ節転移率および予後は乳頭腺管癌と硬癌の中間である.
 浸潤性乳管癌の乳頭腺管癌,充実腺管癌,硬癌への分類に際して,2種以上の組織型が認められる場合には優位な組織型に分類する.優位な組織型とはより広い面積を占める組織型を指している.もし,いずれの組織型が優位とも判断が困難な場合には主診断としては分化度の低い組織型に分類する.